毒・まむし・パイン

楽しくやりましょう!

幸せだって叫んでくれよ #チャットモンチー という愛の結末

  • 2018年7月4日 日本武道館
  • 2018年7月21-22日 こなそんそんフェス(アスティとくしま)

チャットモンチーという音楽

ご存知チャットモンチーは、ギターボーカルのえっちゃん、ベースのあっこ、ドラマーのクミコンの3ピースバンドとしてバッキバキの音を出しながら活動していたのだけど、2009年にドラマーのクミコンが脱退

あまりにも3人の音楽が完成していたので、そこで終わるのかと思われていたのだけど、ベースのあっこがドラマーとして転身。ギター、ベース、ドラムという構成にとらわれずに楽器を自由自在に操りアルバム「変身」を作りあげ、オルタナティックロックバンドとして狼煙を上げる。フジロックであっこがドラムを力強く叩きながら「満月に吠えろ」と唄う姿にはめちゃくちゃ痺れた。たった2人のシンプルなセットなのに、感情溢れるステージング。自然と拳を上げずにはいられなかった。

そこからは、バンド形態からの”変身“がこのバンドの核となっていく。

2014年にはアルバム「共鳴」を発表。2人から驚きの6人体制へと姿を変える

さらに2017年には再び2人体制に戻り、全曲打ち込み体制『チャットモンチー・メカ』を発表。ギターとベースを一切演奏せずにマイクを持ちステージを縦横無尽に駆け回った。

そして、「バンドが完結しても曲は残る。バンドを完結して次に進む」と発表。アルバム「誕生」と、武道館ワンマン公演と、チャットモンチーの主催するフェス“こなそんフェス(2日間)”の3公演を発表しての解散が報じられた。最後は彼女らの地元、徳島の地でバンドを終えたいとのことだった。彼女らなりの考えがあったにせよ、こんなにいいバンドが解散するなんて、とワンワン泣いた。

ここから綴る文章は、わたしなりのこのバンドおよび携わるスタッフへの感謝であり、上記3日間のライブレポートである。

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本当にこれで終わりなのかと思った武道館ワンマンライブ

武道館ワンマンライブは、素晴らしい公演だった。

前半は新アルバム主体の楽曲群に、打ち込み主体の「チャットモンチー・メカ」としてのステージ。

そして後半はストリングスを加えた「チャットモンチー・カルテット」という新体制弦楽団を発表。あっこが指揮をとってmajority bluesをオーケストラのように演奏してみせる。

最後のワンマンライブで、また変身するなんて・・・!フリーザ顔負けの変身っぷりに、オラ ワクワクすっぞ~!以外の感想がなかった。

でも同時にチャットモンチーのことがわからなくなっていったのも事実だ。

武道館公演は楽しかったし感動もしたけど、そう感動的だったけど、こんなにも楽しみな「次」を見せてくれるバンドが「完結するんだ・・」という実感が、最後の武道館公演には足りて無くってさあ。ゲストでは恒岡章Hi-standard)が登壇して、3ピース当時と同じようにドラムを叩いたけれど、あの頃の音源とほとんど同じように叩く恒岡章のドラムからはより一層「“クミコン”の不在」が感じられて、とても痛ましく感じた。

本当はこれからもキラキラ続いていくはずだった人生が、不慮の事故で途切れてしまったかのような、お葬式のようなライブだった。解散という事実が重圧のようで息苦しかった。えっちゃんの「フェスの方は楽しいだけの2日間にする」という発言があったにしても、でも正直こんなに辛いことってないよ、と思った。

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とっておきの「変身」で泣かせにきたこなそんフェス

そうして不安とともに、迎えたこなそんフェス2DAYS。

テツandトモのステージではえっちゃんが登壇して一緒にネタをやったりだとか、森山直太朗のステージではチャットの2人と一緒に楽曲を歌ったりだとか、フィナーレで全員で阿波踊りを踊ったりだとか。武道館とはうって変わって、フェスらしいピースフルな雰囲気に会場中が高揚した。

フェスの大トリ、チャットモンチーのステージでは色々なドラマーをゲストとして招き、チャットモンチーのドラムを叩いた。小籔千豊奥田民生、シュノーケル、hump back、四星球、スピッツ・・・!それぞれが感動的なステージングを繰り広げる。

 

そうして1日目の最終ゲストは、若々男女サマーツアー‘08で回ったチャットモンチーと共にツアーを回ったシュノーケル・Base Ball Bearの2組が登場。ドラム2台、ベース、ギター、キーボード、タンバリン、ボーカル2人という若々男女ツアー構成で「今夜はブギーバック。この最後の変身に、あんまりにも楽しくて幸せなステージにすっかり感情がほぐされていたら、えっちゃんのよく通る声で「次で最後の曲です」とサラッと現実に戻される。

これで終わりか~でも納得かな、って会場中がしんみりするなかで、

ベボベ小出祐介が、「あ!舞台袖に僕の友人が来てるから連れてきてもいいかな!呼んでくるね!」とやや食いぎみに話す。


小出祐介に連れられて、ステージの上手側から1人の女性がやってくる。

肩を小さく丸くして泣いていた女性は紛れもなくクミコンだ。

!?チャットモンチーの元ドラマー。クミコン。

9年前にチャットモンチーでドラムを叩いていたクミコンだ。

チャットモンチーを脱退してからは、意識的に連絡を取らないようにしていたと語られていたクミコンその人だった。先の武道館公演もあったから、絶対にフェスには出ないと思っていたのに・・・!

その、クミコンが、「舞台袖からずっと見てたよ」って。えっちゃんも、あっこも、会場中が大泣きした。

クミコンは、チャットモンチーは脱退しても、若々男女は脱退してないもんね~?』というベボベ小出に対して、

クミコンは肩震わせて泣きながら、それでも力強く頷いて『うん!脱退してないよ!』って。泣くよこんなん・・・

そうしてソニーの事務所にずっと置いていた、というクミコンの脱退当時のドラムセットがステージに上げられる。フェスは楽しいだけの2日間にする、なんて言っていたのは全部ウソじゃねーか!完全に殺りにきた・・・・!クミコンの力強いキックで始まった12人体制「シャングリラ」のことは、泣きすぎてステージが一切見えなかったので、割愛でおねしゃす!

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シャングリラ 幸せだって叫んでくれよ 時には僕の胸で泣いてくれよ

思えば、みんな意地だったのかもしれない。バンド活動から一線を引き、自分のやりたいことを模索して、武道館公演には出演しなかったクミコンも。武道館公演をクミコン抜きでやり抜いたチャットモンチーの2人も。

シャングリラに泣かされる日が来るなんてなあ。

恒岡章のドラムも、スピッツのドラムも、あっこのドラムもそれはグンバツに格好良かったけれど、やっぱり最後に、クミコンのドラムが見れて嬉しかった。チャットモンチーは現体制が最強!って変身するたびに言ってたわたしも、どこか気がつかない側面で、たぶんこの日をずっと待っていたんだと思い知る。悔しい。

2日目のステージでは、クミコンはドラマーとしてステージには立たなかった。それはそれで、(若々男女のステージには立つけど)チャットモンチーとしてのステージには立たない、というクミコンの絶対の意地のようで、それも痺れた。

(もちろんフィナーレの阿波踊りは一緒に踊っていたので、うれしかった。阿波踊りチャットモンチー じゃなくて、かもし連としてのステージだもんね)

こうしてチャットモンチーは完結した。

ひとつひとつの決断に、絶対の意地がある彼女らは、きっと安易に再結成しないだろうなーとも思う。

彼女らの絶対に譲れないプライドと、ファンの期待が、あの日だけは交錯した魔法のような日だったんだ。

すごいバンドだった。すごい楽曲も残った。すごいライブだった。すごいフェスだった。それにはもうただただ感謝しかない。

曲は残るように、思い出だって永久保存だ。楽しいことがあったら、その都度で写真を撮るし、動画も残すし、文章に書いてもいい、酒の席で語り継いでもいい。ファンとしては人生のステージを変身させ続けながら、伝説的な日に何度も想いを寄せるだけなんで。そう、誰かに残った思い出は生き続けるので。

これからのえっちゃん、あっこ、クミコンの各方面でのご活躍に期待しています。サンキューチャットモンチー!サラバ青春!

生命力 (Forever Edition)